【感想】映画 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

By 清水銀嶺, 2009年7月2日

 破ったというか、破れたというか、破られたというか、確かに「破」だった。
 内容は例えるのなら、『天元突破ヱヴァンゲリヲン』か、『新訳Z(ゼータ)ヱヴァンゲリヲン –恋人たち-』、いや同じ監督の作品ということでは『彼氏彼女のヱヴァンゲリヲン』というべきか。
 パンフレットの記事を信じるのなら、前作では庵野秀明総監督の意図を他のスタッフが誤解したまま制作していたのに対して、今回はより庵野総監督の意図に沿う形で作り込んだという。
 なるほど。とすると、安野モヨコの『監督不行届』でカントクくん(庵野総監督)が、“乙女チックな子供”として描かれていたのは、誇張ではなく本当なのだな。
 苗字が変わったアスカは妙に可愛くなってて、レイは無機質な人形よりも天然な不思議ちゃん程度にとどまり、シンジは子供の頃に憧れがちな強い意志を持った男の子だった。新しいキャラクターの真希波・マリ・イラストリアスは、アスカの壊れ人格を引き受けた感じで、トリックスター的な存在だったけど、これもズルさと遊び心を持っていた子供の頃を思い出させる存在か。
 登場人物の内面が静かな見所とすれば、戦闘シーンは大スクリーンでの見所満載。ヱヴァの暴れっぷりはもちろん、対使途迎撃要塞都市の運用の仕方が面白かった。都市全体がエヴァを支援するために設計されてるのね。
 次から次へと使徒が攻めてくるため、観ている途中で、どこで「つづく」になるのか気になったものの、終わってみれば全体としては、幸福の予感と絶望への突き落としが絶妙で、次回の「Q」(「急」ではない意図も含めて)が楽しみになる内容だったと思う。

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