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ヴァ―レ・リーベ 第7話「ロボット」 奏汰と友里は見つめ合った。 片方は困惑の表情、もう片方は覚悟を決めた表情。 先ほどまで2人きりで静かだったはずのラボには、危険を知らせる警報が鳴り響いている。それは壁に掛けてある時計が、チッチッチッと秒針を鳴らし「時間が無い!急げ!」と必死に伝えようとしているのに、その音すらかき消してしまう […]
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ヴァ―レ・リーベ 第6話「彼女は何か知っている」 茶色いドアの銀色に輝くドアノブを握り玄関を開けると、誰かがフローリングを走っているのか激しい足音がした。 その音は段々と近づいて来ており、遂には何やら慌ただしく玄関に繋がる階段をドタドタと駆け下りてくる、白衣姿の友里が姿を現した。 「ただいま」 「あ!おかえりー。って家は奏汰の家じゃないんで […]
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ヴァ―レ・リーベ 第5話「人間関係」「クラスで、根も葉もない変な噂が立っているのは、古谷も知っているな?」 奏汰や友里のクラス担任である佐藤先生は、他の教師たちが忙しく雑務をこなしている職員室に奏汰をお呼びだし、出来るだけ穏やかに務めて、話を切り出した。 「………はい。今朝、ニュースでやってた、工場が爆発して、それがロボットの襲撃 […]
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ヴァ―レ・リーベ 第4話「異変」 次の日の朝、奏汰は友里の家へ行き、玄関に入ると彼女はダボダボな白衣を着たままラボで寝ていた。スヤスヤと可愛い寝息を立てている彼女を起こすと、寝ぼけたまま手をひらひらと振って、「研究がしたい」と言い出した。こういう時、小黒友里という人間は梃子でも動かない。仕方なく学校には体調不良という名目で休む旨を電 […]
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ヴァ―レ・リーベ 第3話「秘密」 他よりも大きな白い家の黒い表札には小黒と掘られており、その家の中のリビングではカチャカチャとフォークと食器が軽い音が、踊るように両サイドからなっていた。 リビングはラボの隣にある、比較的片付いていて、尚且つずっと小さい部屋で、テーブルにパスタやスープが彩られて置かれた食器が並び、近くの椅子には友 […]
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ヴァ―レ・リーベ 第2話「研究室」 杉田高等学校の校舎には約1000人もの生徒が、40人ごとに教室に入り、自分たちの席に座り、教科書を広げノートを広げ、教師によって行われる授業を聞いて、必要であればメモを取るし、指示があれば問題を解いている。 しかし一般的で真面目で優秀な大多数の生徒が、教師の理想とする授業態度をとるのに対して、少 […]
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ヴァ―レ・リーベ 第1話「天才少女」 街。平穏な街。大勢の人間が、アスファルトをも焼いてしまいそうな朝日に見守られながら、しかし見守られていることなど露ほども知らず、スマホやら携帯電話やらを見るために下を向いて歩いている。どこを見ても大勢の人の群れ、動かない車の列、何度も行きかう電車、広い空に独特な機械音で存在感を隠そうとしない飛行機。 […]
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コスモス第2章話13話「気持ち」 フカフカなソファーに腰かけながら、僕はイオの隣で、静かに話を聞いていた。 凛音と里久の、辛くて悲しい、なんともやりきれない話を。僕がコスモスに乗って逃げた後の学校のこと、どうやってニ人が助かったのか。どうして旅を始めたのか。 淡々と……淡々と語られていく、もう一つの物語。 話す凛音の表情 […]
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コスモス第2章12話「逃げた先にあったものは………」 暗い道。右も左も、上も下も真っ暗。 後ろの方、つまりは凛音と里久が入った入り口は、明るい。 そして、2人が向かう先に、小さく光がある。 まるでトンネルみたいに、この暗い空間は2つの光を繋いでいるのだ。 凛音も里久も、手を前に伸ばして、何か壁のようなものがないか探しながら歩いた。不安は […]
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コスモス第2章11話「悲劇」 あの日。地球が破壊された日のお話。 自分たちが住んでいた世界を、街を、日常を、思い出を、跡形も無く消された日の記憶。 残酷で、悲惨な記憶。 「慶介!!」 親友を呼ぶ声は、爆音によってかき消され、本人に届くことはなかった。呼びかけた相手はすでに校庭から姿を消していた。その代わり見えたのは […]
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コスモス第2章10話「再開」「お待ちしておりました」 指定された場所に着くと、1人の少女が礼儀正しく深々とお辞儀した少女がいた。 「あ、えっと。こんにちは?」 「こんにちは」 少女が顔を上げると、先日逢ったあの子だった。イオと死闘を繰り広げた時とは違って、今は白と黒を基調としたメイド服を着ている。黒く長い髪は相変わら […]
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コスモス第2章9話「どうすればいい」 列車にしてはお洒落で、落ち着く雰囲気のラウンジカーに、僕はイオと2人っきりだった。テーブルの上には朝食に用意されたサンドイッチと紅茶。イオの怪我が治ってから、まだ数時間ほどしか経っていない。 窓の外には、岩の壁。コスモスは未だ、渓谷の底で停車している。 コスモスの自己修復自体はとっくに終わっ […]
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コスモス第2章8話「失うもの、得るもの」 薄暗く静かなファクトリー・カー。何かを創るために設置された機械たちは、動きを止め、じっと息を凝らしている。壁には照明とは違った光が所々に散在していているけれど、どれもこの部屋を照らすほどじゃない。僕は大きな円柱形の水槽を前で1人、立ち尽くしていた。 水槽の中は緑色の半透明な液体で満たされていてい […]
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コスモス第2章7話「敗北」 装飾品を多く取り扱う店に並ばれた、鮮やかな品々を何度も何度も慎重に見比べた。棚に並べられた物の数々、どれも誰かに送るには最適そうに思えた。これなら、女性だけでなく男性もこの装飾品をつけて歩きたいと思うのではないのだろうか。 店の店主は中年ぐらいの女性で、やせ細ってはいたけれど血色はよく、ずっとニ […]
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コスモス第2章6話「街中で」 街は賑やかだった。装甲車は関所に預けることとなり、僕とイオは車から降りて、街の中心を歩いていた。フランシスさんの言っていた通り、この世界で稀に異世界人が来るということで、関所の警備兵は僕らを見ても特別表情を変えたようには見えなかった。ただ、どこの世界から来たか不明な僕たち異世界人は、本来なら入国手続 […]
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コスモス第2章5「最強の女騎士」 イオはその細い身体で善戦した。盗賊たちは連携して2人や3人で刀を振っていたが、どれも彼女を捉えることが出来なかった。槍を振る人もいたけれど、イオはその槍を相手から奪いとると両手で槍を握り、膝で折って真っ二つにしてしまった。比較的、僕らの近くにいて、馬車を囲っていた盗賊たちも仲間を助けるため、イオの方 […]
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コスモス第2章4話「知らない世界で」 心を明るくしてくれるような澄み渡った青空の下、雄大な山々の麓に長く深い渓谷があった。人間の文明や化学の力が及ばない、大自然の中に明らかに不自然な人工物が鎮座している。渓谷の底には川が流れており、ギリギリ着水しない高さでコスモスが停車しているのだ。 僕は発令所で各モニターをチェックしながら、コスモ […]
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コスモス第2章3話「亜光速」 普段のコスモスでは起こり得ない振動に立つことも出来ず、座席にしがみついていた。僕の周りに配置された座席たちがカタカタと恐怖に震えあがっていた。 異常。 それが今もっともふさわしい言葉だった。しかもGまでかかっていて、車両後方に身体が持っていかれそうになっている。こんな事があったのは過去に一回 […]
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コスモス第2章2話「見えない襲撃者」 それは突然の出来事だった。 僕もイオも、目の前で起こっていることに思考が追いつかず、ただ固まっているしかなかった。 なに!?なにが起こっているの!? まるで頭の中に分厚い凍りが張りついているように、何も考えることが出来ない。 焦り、不安、恐怖。 そんな中、コスモスから再び報告を受 […]
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コスモス第2章1話「それは突然に」 無限に広がる、世界と世界を繋ぐ超空間。 上も下も右も左もない、ただひたすら何もない超空間。 まるで絵具のパレットに、黄緑色や水色やピンクや赤色や青色の絵具を混ぜたような模様が、四六時中うごめいている。 それはまるで夢の世界にも似ている。 そんな空間に不釣り合いな、旧式な蒸気機関車が走 […]
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