【感想】 劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー

「あ~あ、ツマンナイネ」とは、一緒に観ている途中で呟いた、私の5歳になる子供の感想。
 豪華共演の仮面ライダー大集合が、観ていてちっとも燃えない。画面が映えない。
 一番の原因は、殺陣が単調で、ライダーごとの特徴が希薄だったことだと思う。一応は必殺技も披露してくれるのだけれど、野性児のアマゾンや、赤心少林拳の使い手であるスーパー1までもが、乱闘になると他のライダーたちと同じ殺陣になってしまうもんだから、それこそショッカー戦闘員と同じ雑魚キャラみたいでワクワクしない。
 そしてこれは、モロに製作期間と予算の関係なんだろうなという不満点。ライダーたちがバイクに乗らない。
 かろうじて1号・2号・V3が登場時に乗って現れたが、サービスシーンでしかなかった。
 今や、ライダーのデザインや設定なんかは、「なんでもアリ」で文句は無いとはいえ、スカイライダーや電王のように「バイクいらないじゃん」という彼らにすら用意したのは、仮面ライダーとしての拘りがあったはず。戦隊ヒーローやメタルヒーローなどとの明確な違いとして、ハリボテの遠景ででもバイクにまたがったライダー勢揃いの雄姿を観たかった。
 こういうのは、リアルタイムのロートル世代だけでなく、資料で写真を眺めたり、必殺技やバイクを暗記して、活躍シーンを想像する子供たちをこそ喜ばせるはず。(最近は子供たちもDVDで観れる機会があるとはいえ)
 一方ストーリーの方は、テレビ未見の人へも簡単な説明を台詞に織り込み、やや唐突であるものの物語に意外な展開と、登場人物の成長も入っていて、短編映画として悪くはなかったと思う。
 それだけに、戦うシーンが単調であったのが残念でならない。

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