<<通巻4号>> 4:始祖がオタクだった・その2(前回より引き続き)

記事提供元:北園茶房
執筆 : 星雲御剣/注釈 : 清水銀嶺

4:始祖がオタクだった・その2(前回より引き続き)

 では、なぜ「石器に飾り」が付いている事が、我々の先祖が生き延びる事ができたことの理由になるのか?
 それは、これが「脳の運用法(※注1)に違いがあった」事の証明になるからなのだ。
 この石器に刻印模様を刻んだ原始人は、ふとした余暇に、純粋な暇つぶしとしてこれを刻み始めたらしい。というのは、この模様には、宗教的信仰心とか、ある種の情熱に見られるような熱心さが見られず、本当に単純に、何となく並んだ直線を交差させてみた、という様な、実に気楽な感覚が見て取れるからだ。
  同じ遺跡から、墳墓の痕跡も発見されているが、こちらは実に熱心で丹念に作られた貝殻のネックレスが副葬品として発見されており、この造作の違いからも、この石器に刻まれた模様からは「暇だから彫ってみた」以上の意識は汲み取れないのだ。
 つまり、この原始人……我々の先祖の一人には、決まり切った事柄を反復するだけではなく、状況を飛躍して考える能力が備わっていたということが言える。
 そして、その能力が「暇だから石でも彫るか」と言えるほどに豊かな生活を築き上げる原動力だったことは明らかである。
 つまり、滅び去った幾多の亜人種と我々の先祖の違いは脳の運用法、つまりは発想の飛躍が可能であること。
 ここで、偉大な先祖に習って大きく飛躍するならば、これこそが「オタク的発想法」の元祖であり、危機的状況に対する生存応力の基礎なのだ、とさえ言えてしまうのである。
 ……と、これは少々飛躍が過ぎたか?
 さて、気を取り直して……次回からは、もっと近場の時代、終戦前後あたりからオタクを再考察してみて、「オタクとは何か?」「どうすればそうなれるのか?」を探ってみようと思う。


※注1……脳の働き
次回は「5:何がどうなら『ホンモノ』か」
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&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 執筆者紹介 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
◆星雲御剣(せいうん みつるぎ)
 80年代後期ファミコンブームの頃から各ゲーム誌で攻略記事を担当。
 ゲームのみならず、マンガやアニメにも造詣が深く、某大手出版社の入社試験では、面接官に聞かれたウルトラマン、仮面ライダー、ガンダムの顔と名前を全部言い当てたのが合格の最大の決め手になった、と言われている(笑)。
 独特のオタク感を実生活に反映させる生き様を模索、実践する求道者。
◆清水銀嶺(しみず ぎんれい)
 唐沢俊一氏主宰の『文筆業サバイバル塾』第一期塾生。
 個人ブログ『オタクの辞典』を開設。
 既刊『メイド喫茶で会いましょう』(共著)

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