<<通巻2号>> 2:オタクはかくも強いのだ

記事提供元:北園茶房
執筆 : 星雲御剣/注釈 : 清水銀嶺

2:オタクはかくも強いのだ
 オタク、と呼ばれる人々の一般的イメージはどんなものであろうか?
 『オタキング』岡田斗司夫氏(※注1)の長年にわたる著述活動によって、負のイメージは大分解消された印象があるが、それでもまだ残っているイメージは「引きこもり」で「貧弱」というところだろう。故に時折、『オタク狩り』などという、秋葉原に集うオタクの所持金を狙った事件が起こったりするわけだ。
 だが、この「オタク狩り」、成功して大もうけしたという話をとんと聞かなくはないだろうか?
 多くのオタクは、見た目に反して貧弱ではないのだ。少なくとも、他人の懐を脅し取ろうと簡単に考える輩よりは逞しいのである。
 休日ごとに秋葉原界隈をぐるりと一回りし、コミケ(※2)等のイベントがあれば、暑さ寒さをものともせずに数時間の行列に耐える、実にタフな性質を持っているのである。しかも、これは特定のトレーニングで身につけたのではなく、彼らにとってごく当たり前のライフスタイルかつ自然と身についた資質なのである。
 さらに言えば、オタクの多くは金持ちだ。自分の趣味を満足させるために、自分の持ち得る資質をフルに発揮して、少しでも多くの収入を得ることに余念がない。さらに、この「資質」もまた、無理な努力で身につけたのではなく、日々趣味的に楽しみながら自然と身についたものなのである。
 これは自然界的には当たり前のことで、泳ぎの得意な魚は水泳教室に通っている訳ではなく、魚なりの自然な生活をしているだけだ。できない魚は単純に自滅するだけなのである。
 さて、この大不況時代。前回も記したことだが、自滅したくなければ、眠れる資質を開花させる必要がある。それも、無理せず楽しみながら……人類には、そもそもそれが可能な資質が遺伝的に備わっているのだ。次回は、その根拠となる話をしてみよう。


※注1…岡田斗司夫(おかだ としお)
 自ら「オタキング」と名乗り、オタクの社会的地位を向上させるために言論活動を行なってきた、オタク貴族主義者。
 その思想は、「高貴なる者には負うべき義務がある」(ノブレス・オブリージュ)というもので、ただコレクターアイテムを買い集めるようなのはオタクではないという事のようである。
 元『ガイナックス』代表取締役社長。元『と学会』会員。元『東京大学』非常勤講師。
 現在は、『株式会社オタキング』代表取締役社長。
※注2…コミックマーケット
 企業によらない有志による民間団体が主催するものとしては、日本最大規模の同人誌即売会。日本最大ということは、同時に世界最大でもある。
 マスコミでは既存作品のパロディ(二次創作)やアダルト作品が大きく取り上げられることが多いが、全体から見れば一部に過ぎず、オリジナルの漫画作品を始めとして、医療関係者や鉄道関係者といった特殊な職業従事者による裏話的な作品、手作りアクセサリーや作り方の指南書、紅茶やコーヒーの淹れ方、ペットの飼い方など、ジャンルとして一括りにできない雑多な作品が多くを占めており、「自由な表現活動の場」となっている。
次回は「3:始祖がオタクだった・その1」
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&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 執筆者紹介 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
◆星雲御剣(せいうん みつるぎ)
 80年代後期ファミコンブームの頃から各ゲーム誌で攻略記事を担当。
 ゲームのみならず、マンガやアニメにも造詣が深く、某大手出版社の入社試験では、面接官に聞かれたウルトラマン、仮面ライダー、ガンダムの顔と名前を全部言い当てたのが合格の最大の決め手になった、と言われている(笑)。
 独特のオタク感を実生活に反映させる生き様を模索、実践する求道者。
◆清水銀嶺(しみず ぎんれい)
 唐沢俊一氏主宰の『文筆業サバイバル塾』第一期塾生。
 個人ブログ『オタクの辞典』を開設。
 既刊『メイド喫茶で会いましょう』(共著)

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