トンデモ本大賞2010

By 清水銀嶺, 2010年6月13日

 『トンデモ本大賞2010』が、日本橋劇場で6月12日(土)に開催された。
 著者の勘違い、常識はずれ、理解不能な発想、そんな本の中から「もっとも笑える」本を勝手に表彰する、と学会主催のイベントである。
 会長の山本弘先生(SF作家)によりノミネート作品がプレゼンテーションされ、観客の投票によって大賞が決定する。
 本年度のノミネート作品は、赤司洋子『ネコの心がわかる本』(PHP)、リチャード=コシミズ『小説911』(自費出版)、杉山徹宗『平和宇宙戦艦が世界を変える』(芙蓉書房出版)、丸山修寛『500年の時を経てついに明かされたダ・ヴィンチの秘密』(幻冬社ルネッサンス)の4冊。
 『ネコの心がわかる本』は、猫の世話の仕方という基本的なことから、掌をかざして猫の具合を悪くするマイナスエネルギーを吸い取って宇宙に捨てるという気功技まで教えてくれる。投票用紙のコメントには、「宇宙には、くりまんじゅうと猫のマイナスエネルギーと、どちらが多いのでしょう」というのがあったようである。
 陰謀説を小説という体裁で書いている『小説911』は、まず実在の人物の名前の改変が酷い。ほとんどが、濁音にしただけ。作中で語られる陰謀も同レベルで、旅客機は密かに空港に着陸させ(どうやって?)、代わりにF-16をペンタゴンに突入させたとか(目撃者はどうする?)。陰謀を企てた輩の会話など、「越後屋、おぬしも悪よのぅ」といったノリである。
 個人的に気に入って私が投票したのは、『平和宇宙戦艦が世界を変える』だった。平和宇宙戦艦なるものを建造すれば、搭載したレーザー砲で世界各地の紛争を解決し、日本も米軍に国防を頼らなくて良いと主張している。この平和宇宙戦艦、きっと鳩山元首相が欲しかったであろう。なにしろ搭載しているレーザー砲は、著者の書いている機能が本当であるのなら兵器ではなく、核兵器を含めたあらゆる兵器「だけ」を無力化する超科学な代物で、人命にはいっさい危害を加えないというのだ。秀逸なのは、著者が描いたと思われるデザイン画。潜水艦に主翼と尾翼を付けており、なにやら郷愁を誘うデザインで、当然のことながら著者は、「大和」と命名することを提案している。
 郷愁といえば、子供の頃を思い出すのは、『500年の時を経てついに明かされたダ・ヴィンチの秘密』の方であった。ダ・ヴィンチの描いた絵に秘密のメッセージが込められているというのだが、その解読方法は、絵の特定の位置に鏡を立てて、鏡面画像が「◯◯に見える」という手法。桐生祐狩先生が、「美術の授業中に退屈してやったみたいな方法ですねぇ」と評していた。心理学のロールシャッハテストみたいという声もあり、とするとダ・ヴィンチの秘密ではなく、著者の秘密の心理が分かるというところか。
 投票結果は後日、公式サイトにて発表があるであろう。
 イベントでは他に、『と学会エクストラ』として「全裸でハイヒールを履いた男性著者写真の載った自転車本」や、「教科書や公務員採用試験を侵食する、中国地名のカタカナ表記の問題」に、梅田佳声氏の息子さんによる紙芝居などが紹介され、演芸コーナーでは自主制作アニメ『恋戦士ラブコメッサー』や自主制作特撮ヒーロー『聖ジェルノン』の上映と、その聖ジェルノンに扮した伊勢田勝行監督の歌(渋い声から女性声まで出る!!)、『妖怪プロジェクト』のライブ(カッパの着ぐるみで歌うのは大変そう)と盛り沢山だった。
 ロビーには、昨年の7月に亡くなった志水一夫先生の記帳台が設けられており、犬山しんのすけは例のセーラームーンコスプレをした志水先生のイラストを、私は「追悼本にサインを頂けないのが残念です。あの世で、お元気に!」と記帳してきた。
 書いた後で、稗田おんまゆらさんから、記帳した帳面は志水先生の母親に届けられると教えられた。……ガチョーン!!Σ( ̄□ ̄;)

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One Comment

  1. ぽぅ より:

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    お疲れ様です。
    楽しい記帳となったのでは!!!
    お母様も元気つけられると良いですねヾ(´▽`*)ゝあーい♪

     

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