<<通巻1号>> 1:気勢を上げるオタク事業

記事提供元:北園茶房
執筆 : 星雲御剣/注釈 : 清水銀嶺

1:気勢を上げるオタク事業
 宣伝の際、アニメやマンガでアピールする。
 これは別段、新しい手法でも目新しい奇策でもなく、古くは明治・大正、さらにこじつけるなら市場経済が近代化し始めた江戸時代中期からその萌芽が散見される常套手段だ。(※注1)
 事実、古今印象的なCMには大なり小なりマンガやアニメを絡めたものが多いはずである。
 これは、よく考えればちょっと不思議なことだ。
 アニメやマンガが無くとも、人間は別段何の不自由もなく生きていける。生存や生活に直接関係のないマンガやアニメに、なぜこうも人間の意識は激しく惹かれてしまうのだろうか?
「人はパンのみにて生きるにあらず」とか言う言葉があるが、ここで言う『パン以外の何か』、つまりは『心のよりどころ』がアニメやマンガだからであろうか?
 で、あるならば、なぜほかの動物と違って、人間だけがこのような『よりどころ』を必要とするのであろう?
 ある視点から人間というものを考察し直して見ると、「オタク的発想ができる人物は危機的状況への対応力が高い」という事実が見えてくる。
 事実、多くのオタク達は、不況などどこ吹く風で、各地のイベントや毎週末の秋葉で怪気炎を上げ続けているのである。
 人間は、『よりどころ』を持つことによって真価を発揮する……というよりも、『よりどころ』を持てる精神的余裕こそが人間の真価だと言うことだ。そして、それは人間誰にでも備わっているはずなのである。
 復帰までには十年近い時を必要とするとも言われるこの大不況、眠れるオタク資質を呼び覚まさなければ乗り切るのは難しい。
 では、そもそもオタクとは何なのか?
 どうすればその素養を伸ばすことができるのか?
 次回からは、オタク、と呼ばれているものの根源を、より本格的に探ってみようと思う。


※注1………引札(ひきふだ)
次回は「2:オタクはかくも強いのだ」
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&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 執筆者紹介 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
◆星雲御剣(せいうん みつるぎ)
 80年代後期ファミコンブームの頃から各ゲーム誌で攻略記事を担当。
 ゲームのみならず、マンガやアニメにも造詣が深く、某大手出版社の入社試験では、面接官に聞かれたウルトラマン、仮面ライダー、ガンダムの顔と名前を全部言い当てたのが合格の最大の決め手になった、と言われている(笑)。
 独特のオタク感を実生活に反映させる生き様を模索、実践する求道者。
◆清水銀嶺(しみず ぎんれい)
 唐沢俊一氏主宰の『文筆業サバイバル塾』第一期塾生。
 個人ブログ『オタクの辞典』を開設。
 既刊『メイド喫茶で会いましょう』(共著)

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